2014年4月7日月曜日

人称接辞はややこしい

 アイヌ語と、日本語の大きな違いの一つに人称接辞というものがあります。

 一口で言えば、英語の I  my  me  のようなものです。ただ、違うのは「I」は主語として独立してその役目を果たしますが、アイヌ語の私に当たる ku (ク)は、独立語ではなくあくまで動詞や名詞にくっついて(接辞)「誰が」とか「誰の」とかをはっきりさせる役割を果たします。
 注意 その1
アイヌ語の文章は,一つ文章の中に何回名詞や動詞が出てこようが、必ずその動作は誰がやったかはっきりしなくてはなりません。  
 例〜私は手で山菜を採る
   という時も、私の手で私は山菜を採る という表現をします。

 注意 その2
アイヌ語では4人称まであります。
 4人称とは、「私たち」にプラスして話し相手も含む場合を言います。日本語ではあまりこのことを厳密に区別しませんのでちょっと戸惑いますが、そこをはっきりさせることを大切にした民族であると理解しましょう。
 例~私たちは昨日映画に行ってきたんだよ~1人称複数
   私たちと明日映画に行きませんか?~4人称
                    ご理解いただけましたか?

*動詞にくっついてその動詞の主語となる場合に使われる
 人称接辞
表中「=」は動詞の場所を表しています 例〜paye= as(私たちは行く) 
     ci= e(私たちは食べる)

単数 複数
1人称     私が ク=(ku)
後ろに母音が来ると変カ・ケ・コに変化します。
チ=(ci)〜他動詞
後ろに母音がくると
チャ・チュ・チョに変化します

=アシ(as)〜自動詞
2人称    あなたが エ(=e)

エチ=(eci)
3人称  彼が、彼女が
           ◯◯さんが
ありません(何もつきません) ありません
4人称
話し相手を含む私たちが
私たちに単数は考えられません ア= (a)〜他動詞
=アン(an)〜自動詞

*名詞にくっついてそのものの所有者を表す場合(英語のmyに相当)
 上の表と同じですが、ただ人称接辞をつければよいというわけにはいきません。
 所有形という項で詳しく説明します。


 動詞の単数、複数、自動詞、他動詞の説明は「動詞」の項で説明しま
 す

*目的格~◯◯が△△に□□をした。(英語のmeなどに相当)するものは少し複雑です。
 例えば、お母さんが私にお菓子をくれた。
という文章の主語は,お母さんです。ですから3人称です。
もらったのは私ですから1人称です

こうやって組み合わさると
  横の列を誰が  縦の列を誰に として見てください 
  表中「=」は名詞や動詞の場所をあらわしています

私に
1人称単数
私たちに
1人称複数
あなたに
2人称単数
あなたたちに
2人称複数

彼に・彼女に
3人称
話し相手を含む私たち
4人称
私が
1人称
ありません ありません eci= eci= ku= ku=i=
私たちが
1人称複数)
ありません ありません eci= eci= ci= ?
あなたが
2人称単数
en= un= ありません ありません e= e=i=
あなたたちが
2人小複数
eci=en= eci=un= ありません ありません eci= ech=i=
彼が・彼女が
3人称 
en= un= e= eci= ありません i=
話し合い手を含む私たちが
4人称
a=en= a=un= a=e= a=ci=

a=

a=i=

例 お母さんが私にお菓子をくれたは
  三人称のお母さんが1人称単数の私にお菓子をくれたのですから
  totto  topenpe  en=kore  トット〜お母さん トペンペ〜お菓子
                 コレ〜くれる
     
例 あなたが私たちにお菓子をくれた
  2人称単数のあなたが1人称複数の私たちにお菓子をくれたのですから
   topenpe  un=kore
      となります。

         注 topenpeは始めの音節が開音説ですが 例外的に第一音節のtoにアクサンとがあ
     ります。


 


0 件のコメント:

コメントを投稿