2014年8月23日土曜日

私のおばあちゃんは働き者

8月
千歳アイヌ語教室

8月24日
  15:00~17:00

テキスト(アイヌの知恵 ウパクマ)
28ページ~29ページ



1 ku=kor huci      anakne        yuptek       wa
  私の お婆ちゃん は      働き者である   して

     kes to    an  kor   
  毎日 ある と (毎日毎日)

 nepki   patek     ki
  仕事 ばかリ する


2  citarpe       tese      kusu
 敷きゴザ  編む   ために

  pet  or  un (ペトルン)arpa  wa
 川の 所へ                      行く して

    sikina   ca
  ガマを 刈る

3 saranip        kar    kus  
  背負いかご  作る  ために

    kim  ta   arpa   wa
 山 に 行く して

   nipeskep       ka   ki
  シナの木の皮剝 も する








2 新出単語とその周辺

 huci
お婆ちゃん 単に年齢が高いというだけでなく「物知り」と言う尊敬 の意味が含まれる。
アペフチカムイ=いろりの神様、一番位の高い神様。男尊女卑の世界ではあったがある程度の年齢を重ねた女性はカムイノミ(お祈り)を許されることもあったという。

 yuptek
働き者   女性は炊事洗濯だけでなく、山での焚き木集め、狩猟以外の食物の確保(畑仕事、山菜採りなど)、衣類、繊維で作る道具などの仕事に精を出した。現在のように必要な物を街で買い求めるというのではなく、可能な限り自給自足、リサイクルによる生活を送っていた。

 kes to
  毎日       今日〜タント 明日〜ニサッタ 昨日〜ヌマン

 to
日(一日の時間をあらわす)   今年〜タンパ  今月〜タンチュ

 an
ある,いる、暮らす,   他に人称接辞として4人称 物語の1人称 女性から男性への2人称など他の意味もあるのでご注意

 nepki
 仕事をする(自動詞)   同義語 monrayke

 patek
〜ばかリ 一つの動作ばかり      「すべて」を表す言葉として オピッタ〜全ての物(コタン オピッタ〜村という村全部) エピッタ〜その物の中身全部(コタン エピッタ〜一つの村じゅう)
 
 citarpe
敷きゴザ       ガマ(sikinahttp://ja.wikipedia.org/wiki/ガマ
イグサ(katunki) サンカクイ(kuitop kina)などを編んで作った敷物。アイヌ家屋の床面には葦を厚く敷き、その上にこのチタラペを敷いた。断熱効果は抜群で、絶やすことのない囲炉裏の火とあいまって真冬でも安心して過ごせたという。
後に和人が入ってきて、木造家屋を作り、板張りの床を張ったが北海道の厳寒は過ごすことが出来ず,凍死した人もいたという。
チタペは,蒲で編んだ敷物の総称で
トマ=床の敷くゴザで、あまり模様などは入っていない。
ニカプンペ=模様の入ったゴザで、その中でも特に上等な物をカムイノミチタペあるいは
マラットチタラペといい祭壇用に使った。
オキタルンペ=大型の模様付きチタペで宝物を載せるために使った

yattuy=死者を葬る時に包むためのチタペ。無地だった。
 
 tese
織る(他動詞)   イテセ=ゴザを織る(自動詞) ゴザを織るときはギザギザに刻みを入れた板の両側に足をつけた道具を使った。これをイテセニという。(ニは木のこと)

 pet
川     川を表す言葉としては「ナイ」もある。一般に本流をpet 支流をnayという説が有力であるが、petは、古い言葉、ナイは新しい言葉という説もある。古語が主流の樺太アイヌの地名には「ナイ」はあまり見られない(山田秀三説)。川の大小、支流・本流に関係なく「ナイ」しかない地方もあるしその反対もある。
Peには水、水滴,液体という意味もある。ト=乳液(ミルク) ヌ=涙

 un
〜へ(方向を表す)    その他に、〜に属する 〜に住む(sikot un  kur=千歳に住む人)  また、人称接辞としても使われる。

 or  un
〜へ 〜に  orは位置名詞という仲間。場所を表す言葉の中で、位置名詞とそうでない物に分けられる。日本語にはない概念なので難解な所がある。
位置名詞には、kim=山   soy=外   ka=上  corpok(下)  onnay(中)  etok(前)などがある
また、位置名詞ではない物に pet=川  nupur=岳 atuy=海 などがある。
これら位置名詞ではない名詞には後ろに「or」を付けなくてはならない。
川に〜pet or un    川で〜pet or ta というようにorを付けなくてはならない。ついでにpet or un はペトルンと発音し、
 pet or taはペトッタと発音することも覚えておいてください。

 sikina
ガマ(蒲) siは本当という意味、支笏湖のシと同じ、 kinaは役に立つ植物,あわせて、本当に役に立つ草、蒲は床に敷くための本当に大切な植物だったのだろう。
シの付く名詞には シソヤ=スズメバチ シイ=本当の食べ物(主食)〜サケ
シアマム(本当の穀物=米)などがある

ca
刈る 鎌などの道具を使って刈り取ること。粟(あわ)の穂を刈り取るときはカラスガイの貝殻に穴をあけひもを通して指に付け刈り取った。ムンチロ チャという文があとから出てくる。

saranip
シナという木の皮を加工して紐を作り,それを編んで袋を作った、大きな物は持ち歩くとき額にかけて歩いた。泥がついた物はその袋に入れてそのまま水にいれゆらして洗った。小さな物を ポン サラニプといいポイサラニプと発音した。また、シナの皮を幅15ミリほどの帯状にして編んだ物をras-saranpと呼び、作物の乾燥用に使った。この他にもサイズをいろいろ変えて用途に合わせて作った。

kar
〜を作る  〜を摘む  〜をもぐ  〜を採る などの意味がある。Ca
などと比較して「爪」で採取すというようなニュアンスがある 
kina kar=山菜採り  同じ日本語の採取するでも前述の刃物で採るのはca  
動物を獲るのはkoiki  葉を採るのはukなど表現は微妙に異なる

nipes kep
ネット情報によれば、どうやら「しな」もアイヌ語らしい。「縛る」という意味がある(中川辞典215P
は皮を剥ぐという他動詞、合わさりシナの木の皮を剥ぐという自動詞。
ちなみにカは皮のこと,カを剥ぐのでケ

anakne
「は」     私「は」とかこれ「は」などに使われる「は」はあまりアイヌ語ではつかわれません。使われるのは 物を持ち上げて「これ◯◯です」というように、主語を特別ハッキリとさせたいとき(かく申す私などというときです)
それ以外には言葉の調子を整えるとき。ユカラや、カムイユカラなどは一行が4または5音節に整えられています。俳句等のように定型詩になっています。その時には、虚辞(意味のない語〜日本語で言えば「らら、ああ、それ」などに当たる)のように使えわれることがあります。

3 親族名称
アイヌ語の親族名称はちょっと複雑ですので一つづ覚えましょう
totto=お母さん
hapo=お父さん
huci=おばあさん
ekasi=おじいさん
この4つが わたしの×× となる場合はku kor ×× となります。あなたの××はe=kor××です。
しかし、親族すべてがこうなるとは限りません。別の親族の場合は表現が違って来ますのでご用心


出てくるお話に関係のある物を載せます(萱野茂著 「アイヌの道具」より)




























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